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夫婦が必ず同じ氏を名乗ることとしている夫婦同氏制度の下で、改姓によって不利益が生じたり、人格権を侵害したりという事態が生じています。
最高裁判所は2015年に夫婦同姓規定を合憲とする判断を示すとともに、「この種の制度の在り方は、国会で論ぜられ判断されるべき事柄にほかならない」と、民法の見直しを国会に委ねました。そして、2020年12月に政府がとりまとめた「第5次男女共同参画基本計画」においては、「夫婦の氏に関する具体的な制度の在り方に関し、戸籍制度と一体となった夫婦同氏制度の歴史を踏まえ、また家族の一体感、子供への影響や最善の利益を考える視点も十分に考慮し、国民各層の意見や国会における議論の動向を注視しながら、司法の判断も踏まえ、更なる検討を進める」とされました。
しかし、内閣府「家族の法制に関する世論調査(2017年)」では、選択的夫婦別姓制度の導入するための法改正に賛成42.5%、同姓を前提としつつも通称使用を認める法改正に賛成24.4%となり、法改正は必要ないとの回答29.3%を上回っています。
また、国際的にも、日本の夫婦同氏制度に対しては、国連女性差別撤廃委員会から是正勧告がなされています。
夫婦同氏制度によって、仕事上の不利益、アイデンティティの喪失など、不便さや苦痛を感じている人がいる以上、その解決は国および国会の責務です。
よって、国においては、民法を改正し、選択的夫婦別姓制度を法制化することを求めます。
以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出します。
令和3年3月18日
北海道滝川市議会
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