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日本では、婚姻における夫婦別姓が認められないために、望まない改姓、事実婚、通称使用などによる不利益・不都合を感じている人もいます。夫婦同姓を法律で定めているのは日本だけであります。婚姻の際、96%が夫の姓になっており、間接的な女性差別だとの指摘もあります。
通称使用では、「旧姓併記」「旧姓使用」での法的根拠がないことで、「名前がちがう」などと怪しまれたり、さまざまな事務手続きの煩雑さなどを招いています。働く女性たちにとっては改姓によって「キャリアが中断される」という声も切実で、結婚や出産を躊躇する要因の一つにもなっています。
1996年、法務大臣の諮問機関である法制審議会が、選択的夫婦別姓導入などを含む民法改正要綱を答申して、すでに4半世紀以上が経過しています。2021年6月、最高裁判所は、現行の夫婦同姓を違憲ではないとする判決を出しましたが、同時に、複数の反対意見が付され、制度のあり方を国会で議論すべきとされました。2015年12月の判決でも同様の指摘がされています。
選択的夫婦別姓制度は、あくまでも「選択」によるもので、引き続き夫婦同姓で結婚でき、改姓を望まないものは夫婦別姓を選択できるというもので、誰も強制されることのないしくみであり、地方議会での意見書採択も広がっています。
よって、国会及び政府においては、選択的夫婦別姓制度の導入についての検討を早期におこなうよう、強く求めます。
以上、地方自治法第99条の規定により提出する。
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