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選択的夫婦別姓制度の導入に向けた機運が高まっています。今年2月、日本経団連の会長が「1丁目1番地として制度の導入を検討してほしい」と述べています。世論調査によれば法政大学と国立社会保障・人口問題研究所が2023年2~3月に行った「家族と性と多様性に関する全国アンケート」で、83.9%が選択的夫婦別姓に賛成しています。
最高裁判所は2015年12月、夫婦同姓規定自体は合憲と判断しましたが、同時に選択的夫婦別姓制度について「合理性がないと断ずるものではない」と言及し、制度のありかたについては「国会で論ぜられ、判断されるべき」としました。当該判決の後、夫婦の姓をめぐる環境は大きく変化しています。平均初婚年齢は上がり、現在30歳前後であり、男女ともに生まれ持った氏名で信用・実績・資産を築いてから初婚を迎えるケースが多いため改正時に必要な事務手続きに手間と費用がかかります。
また戸籍姓でのキャリア継続を望むゆえに事実婚を選ぶ夫婦も少なくありません。さらに子連れ再婚や高齢になってからの結婚・再婚も増加傾向にあります。選択的夫婦別姓制度導入は同じ姓を名乗るという現在の制度に加えて、希望する夫婦が結婚後にそれぞれの結婚前の姓を名乗ることを認めるということです。
これは男女が改姓による不利益を案ずることなく結婚・出産し、老後も法的な家族として支え合える社会を実現することにつながり、少子化対策の一助になります。さらに法的根拠のある生まれ持った氏名でキャリアを継続できることから「女性活躍」の推進にも寄与すると考えられます。よって国会及び政府においては、男女が共に活躍できる社会実現のためにも、選択的夫婦別姓制度を法制化するよう強く要望します。
以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出します。
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